軸スラスト荷重計

軸スラスト荷重計とは

軸スラスト荷重計はプロペラ推進による軸の圧縮(縦)歪みを測定します。

軸馬力計でのトルクと合わせて計測することによって、推進性能を正確に把握することができ、推進性能に変化があった場合、その要因が船体抵抗が増大しているためなのか、プロペラ効率の低下なのかを切り分けて評価することが可能となります。軸馬力計、軸スラスト荷重計と合わせて装備することにより、メンテナンスのタイミングを計ることができ、メンテナンス費用の軽減のみならず、プロペラ効率を常にモニタリングすることで燃費削減することが可能となります。

SEC軸スラスト荷重計

軸の圧縮歪は極めて微少なため、SEC 軸スラスト荷重計は最小分解能0.025ミクロンの超高感度変位センサーにより検出します。またSEC軸馬力計で得られたトルクデータにより軸の捩れ成分を補正することで高精度に軸スラスト荷重を計測できます。

回転する軸には、下図のように推進力に比例する圧縮歪みとトルクに比例して生じるねじれが混在します。真の圧縮歪み(ΔL)を測定するためには捩じれ成分“T”を知る必要があります。“T”は軸馬力計のトルクデータから算出されます。従ってSEC軸スラスト荷重計は軸馬力計が必須となります。

タイプ別軸スラスト荷重計

軸スラスト荷重計には、一つの検出リングで軸の捩れと圧縮歪みを測定する一体型、軸馬力と軸スラストを各々独立したリングで測定する独立型、そして同じ独立型で軸表面温度とセンサー膜温度の温度差を補正する機能を付加した温度補正型があります。

<スラスト荷重計の計測精度と取付スペース比較表>

タイプ 計測精度 取付スペース
一体型 +0.5%, -2.5%以下 500~600mm(サービススペース含む)
独立型 +0.5%, -1.5%以下 1,100~1,200mm
(軸馬力計検出リング、サービススペース含む)
 温度補正型 +0.5%, -0.5%以下  1,100~1,200mm
(軸馬力計検出リング、サービススペース含む)